はじめに
こんにちは!リクロスの木藤です。
今回は商談時に心掛けていることを5つ、自治体営業ならではのポイントに絞って書いていきます。
「個人的に」心掛けていることなので皆様の参考になるかは分かりませんが、少しでも何かしらの形で役立てば幸いです。
それでは早速見ていきましょう!
商談時に心掛けていること5選
①予算要求の時期を確認する
基本のキですね。
予算要求の時期を過ぎたら次年度には間に合わない可能性が高いので、商談時でなくてもいいですが確認しておきましょう。
ただし、アプローチが間に合わなくてもすでに予算要求している場合もあるので、予算要求から公示までの数か月から約1年は何かしらのアプローチの余地はあります。
以前の記事に書いた通り、諦めずに「次点」や「ベター」を狙う価値はあるでしょう。
②まずは提案してみる
自治体職員は2~5年で人事異動することが多いです。また、部署異動しなくても、部署内で担当入れ替えがあります。
それに加えて目先の業務で忙殺されていることもあり、5~10年どころか2~3年先すら見据えていないこともあります。
よって、自治体職員の方は良くも悪くも意見を持っていないことが多いです。
ヒアリングは営業の基本ですが、意見や考えを持っていない白地の状態でヒアリングを重ねても無駄になることもあります。
ヒアリングは気持ち控えめにして、サービス説明して反応を確かめたり、温度感を上げたりする形を心掛けています。
③組織の方向性と個人の思いを聞く
ヒアリングは気持ち控えめにと書きましたが、サービスによっては課室として過去に検討したことがあるかもしれないので、組織の方向性はヒアリングしています。
また、私個人的に「これからやってみようかな」という段階ですが、(組織の方向性は置いておいて)担当者個人的にやりたいことをヒアリングしてみようと思います。
「上司など(組織)がやると言ったからやる」という形ももちろんあります。しかし、そこに担当者の熱量が加わったらいっそうスムーズに話が進みます。
担当者個人の思いとサービス導入により実現できる世界観がマッチしそうか模索するためにも、担当者個人の考えをヒアリングしてみます。
④これまでの背景を伝える(過去)
これまでの背景を伝えることも心掛けています。具体的には、前任者とのやり取りや、以前送ったメール内容などです。
1発勝負の商談でサービス導入まで繋がれば理想ですが、現実としては「接点回数」や「接点を想起させるトーク」があると相手の反応も良いです。
営業リストで架電日や資料送付日、商談実施日など管理しておいて、商談の際に「前回○月にお話させていただいた件について、」「昨年度まで前任の○○様とお話を進めていましたが、」など触れると、相手の中でも重要度・優先度が高まるでしょう。
⑤これからも連絡することを伝える(未来)
接点回数の確保は営業の基本です。
上記のとおり、過去と繋げるためにこれまでの背景を伝えますが、商談時には「これからも適宜情報提供させていただきます」と伝え、過去から未来までストーリーを紡ぐよう心がけています(もちろん実際に未来でコンタクトしてください!)。
先ほども記載したとおり、自治体職員の方は基本的に中長期の視点を有していません。組織としては分野ごとに3~10年程度を見据えた行政計画を立ててはいますが、それが必ずしも職員の中長期視点に繋がるわけではありません。
(強調しておきますが、これは人事異動や担当者入れ替えなど構造上の問題であって、職員の怠慢ではありません。)
長い付き合いが信頼に繋がるのは人間の本能によるものだと思います。企業側から過去から未来のストーリーを紡ぐイメージで営業活動すると良いでしょう。
最後に
①~⑤の内容は全て、自治体営業に限らず営業全般で活用できる要素かもしれません。
しかし、自治体の構造(人事異動や担当入れ替えなど)から生じる自治体職員特有の傾向があるのも間違いなく、それを踏まえて、心掛けているポイントを書きました。
特に自治体職員の方が良くも悪くも意見を持っていないことが多い点については、行政の「人によらず一定品質の行政サービスを届ける仕組み」とはマッチしており、「良くも悪くも」と書いたものの、良い点なのではと感じています。
逆に、前職のリクルートは「お前はどうしたいの?」で有名なとおり、個人の内発的動機を非常に重んじます。
私自身両方の組織を経験しましたし、改めて行政及び自治体職員の方について考えるきっかけとなりました。
今回もお読みいただきありがとうございました!
1994年愛知県豊橋市生まれ。東北大学卒業後、新卒で市役所へ入庁。文化課や中央省庁への出向、転職してリクルートで営業を経験後、株式会社リクロスを創業。リクルート出身のメンバーを中心に自治体営業の支援に取り組みつつ、自治体営業プラスを運営。