はじめに
こんにちは!リクロスの木藤です。
今回は外郭団体への営業について書いていきます。
私が市役所の文化課に在籍時、文化施設の管理運営を外郭団体が担っていました。また、現在の自治体営業支援の中でも、文化とは異なる分野で外郭団体に営業活動しています。
グーグル検索で「外郭団体 営業」と検索しても、真正面から解説するページはない様子。
本記事が少しでもお役に立てば幸いです!
外郭団体とは
外郭団体とは、官公庁組織の外部にあって、官公庁との連携により官公庁の事務に関連する事業を行う団体のことです。細かい説明は省きますが、原則として官公庁の出資割合が25%以上の団体を指すようです。
一例として浜松市のページを見てもらえればと思います。観光協会やスポーツ協会、国際交流協会などの名称を聞いたことがある方は多いのではないでしょうか。
外郭団体が営業対象の場合に意識すべきこと
外郭団体は原則として官公庁の出資割合が25%以上の団体なので、官公庁の仕組み(予算など)と近しい部分も多くあります。
なので、大前提、自治体営業と同じ視点を持ちつつ、それ以外に意識すべきことを書いていきます。
①自治体との関係
外郭団体は自治体の対応する部署と連携しているので、営業先は自治体か外郭団体、または双方になります。
以前の企業インタビューにあるとおり、どちらが営業先になるかはアプローチしてみないと分からない部分はありますが、アプローチしてみると例えば以下のような反応があります。
- 自治体職員「それは○○協会の担当ですので、そちらに電話してください。」
- 外郭団体職員「予算が関わるものは市に相談してください。」「話はうちで聞きますが、おそらく県が首を縦に振らないです。」
一度アプローチしたり実際に商談したりすると力関係のようなものが自然と見えてきますので、関係に応じてアプローチするようにしましょう。
なお、役所内部における「事業課と財政課」の関係のように、「外郭団体と役所」においても、役所が予算をつけるかどうか次第な部分がどうしても大きいです。
予算要求という観点で、「外郭団体◎、自治体◎(双方とも前向き)」や「外郭団体×、自治体◎(ある意味上意下達のような形)」であれば話が進みやすいです。
しかし、「外郭団体◎、自治体×(現場だけやりたいと言っている)」という形だと少し難しいでしょう。
②予算の使い道の広さ
「外郭団体◎、自治体×(現場だけやりたいと言っている)」だと少し難しいと書きましたが、絶対に無理なわけではありません。
と言うのも、自治体よりは予算の使い道が広いことが多いからです(外郭団体の細かい仕組みは詳しくありませんが、実際の経験から確信しています)。
例を挙げると、ある市では100万円の業務委託費を予算計上していたら原則予算内で実施するところ、外郭団体ではより大きな名目で予算数千万円を与えられ、使い道は現場(外郭団体)で決められることがあります。
そのほかに外郭団体で見られる傾向として、例えば8月になっても「予算はあるけど、具体的に何をやるか決まっていない」といったことが珍しくありません。
以前の記事に書いたとおり、自治体営業においても、予算要求時の仕様書と公示の際の仕様書は異なることはあります。外郭団体だとその傾向がいっそう強く、事業実施年度になっても「具体的に何をやるのか決まっていない」ということは全然あり得ます。
自治体営業以上に、年中コンタクト取り続ける価値があるでしょう。
③隠れた営業先の存在
隠れた営業先の存在も欠かせないポイントでしょう。
具体的には、広域連合や協議会が挙げられます。広域連合については総務省のHPを、協議会については文部科学省のHPをご覧ください。
分かりやすいテーマだと観光、ニッチなテーマだと官民連携など、その地域の方向性を近隣の複数市町村で話し合って意思決定していることがあります。
最初から営業対象として特定するのは簡単ではありませんが、自治体や外郭団体とやり取りする中で見つけられることが多いので、しっかり関係を把握しておきましょう。
最後に
外郭団体に関連していろいろ書きました。
自治体営業よりは意識すべき点は増えますが、それを理由に参入を控えるほどの難しさはありません。
関係性のヒアリングなど営業の基本の徹底で対応できますので、是非どんどんチャレンジしていただければと思います。
今回もお読みいただきありがとうございました!
1994年愛知県豊橋市生まれ。東北大学卒業後、新卒で市役所へ入庁。文化課や中央省庁への出向、転職してリクルートで営業を経験後、株式会社リクロスを創業。リクルート出身のメンバーを中心に自治体営業の支援に取り組みつつ、自治体営業プラスを運営。