はじめに
こんにちは!リクロスの木藤です。
今回は、2025年1月時点で考える、自治体営業においていちばん大事なことを書いてきます。
他の記事を見られた方はなんとなく答えが分かるでしょうが、今回は主張と根拠(となる考え)を一本の記事にまとめます。
それでは早速見ていきましょう!
自治体営業においていちばん大事なこと
最初に結論を書きますが、私が自治体営業においていちばん大事だと考えていることは、「知識」ではなく「営業力」です。
自治体「営業」なんだからそりゃそうでしょ、と思われるかもしれません。
しかし、自治体ビジネス参入を検討されている企業様が現状世の中に出回っている情報を見た時に、いちばん大事なのは「知識」だと誤解されるだろうと懸念して、この記事を以って「営業力」だと強調させていただきます。
以降の内容は全て、主張に対する補足材料となります。
営業はサイエンスではなくアート
田端信太郎さんの著書『これからの会社員の課題図書』にもありますが、「営業を極める道は、アートや哲学、あるいはスポーツやお笑いに似てい」て、「営業マンとは、アスリート、エンターテイナーやアーティストに近い存在」です。
要するに正解がなく、ルールを守り倫理的であれば何をしてもよく、いろんな成功パターンがあります。野球で言えばイチローと大谷はタイプが全然違いますが、どちらも成功者です。
もちろん、受験であれば「知識(知っているかどうか)」が結果を大きく左右するでしょう。
それでは、プロスポーツ選手は誰よりもそのスポーツに詳しい方がなれる職業でしょうか?知識よりもセンスや身体能力で成否を説明できることの方が多いと思います。
絵が上手い方は、誰よりも絵の知識があるのでしょうか?それこそ知識よりもセンスとしか言えない領域でしょう。
他に例を挙げると、経営の知識がある方が経営をうまくできるのでしょうか?経営コンサルが必ずしも経営力があるわけではありません。
私がやっていた野球に例えると、「すでに知識が豊富な子」と「運動神経が抜群で身体能力の高い子」が一緒に野球をスタートしたら、1年後に活躍しているのは間違いなく後者でしょう。
また、私は大学時代ラクロスをやっていました。ほとんどの方が大学からラクロスを始めるので新歓の決まり文句で「スタートラインは同じ」と言われていますが、プレーヤーとしての実力は「知識」ではなく「元々運動が得意かどうか」が左右していました。元々運動が得意な人間はやれることの幅がどんどん広くなるので、結果的に「知識」の幅も広がるといった印象です。
同様に、自治体営業においても「知識」ではなくベースの「営業力」が成果を左右すると考えています。
これは「自治体営業で優秀なのは、営業自体が得意な方です。」というのは、「スポーツができるのは、運動神経が良くて身体能力が高い方です」と言っているのと同じです。少なくともスポーツの例に反対する方はほとんどいないでしょう。
情報価値の低下
「情報の民主化により情報の価値が低下してきている」といろいろな場所で言われています。
そもそも行政の情報が公開情報であることが多い以上、自治体のスケジュールや入札の仕組みは簡単に知ることができます。
それらは野球で言うと「スリーアウトで交代」「4つの塁がある」くらい当たり前な情報でしょう。
基本さえ押さえているのであれば、それ以上「知識」に走ってしまうのはよくないと思います。
野球選手すら知らず、試合中に発生した時に、ルールを熟知している審判が集まって判定を検討するくらいニッチなルールを知っていても時間がもったいないです。
もちろん自治体ビジネスで指名停止されないように最低限知るべきことはありますが、指名停止は野球でいう退場です。何をやれば退場するかなんて野球をやっていれば誰でも分かりますし、指名停止についても、ビジネスパーソンとして基本的なことができていれば仕組みが分からなくても避けられます。
本当に価値のある情報とは
そのような中で私が本当に価値ある情報だと考えているのは、ネット上に出ていないリアルな声です。
なので営業を受けている公務員にインタビューしていますし、実際に市役所と中央省庁で営業を受け、リクルートで法人営業をやり、現在自治体営業を支援している私が発信する価値はそこにあると思っています。
野球の例えばかりで恐れ入りますが、ネットには出ていない「プロ投手の変化球の投げ方」や「プロの長距離打者が打席で意識していること」などが貴重な情報でしょう。
最近はそういった情報も元プロ野球選手がYouTubeで発信しています。これと同じようなことを私がやっていきたいと考えています。
行政を民間に置き換えると
民間に置き換えて考えます。法人営業やっている方でも、取締役と役員の法律上の違いを説明できる方は少ないのではないでしょうか?
当然知っておいてマイナスはない知識ですが、細かい知識は多くの営業活動において成果を左右しないというのが(良くも悪くも)正直なところでしょう。
インプットする前にまずは営業活動をどんどん重ねる。走りながら知識を身に付けることは多くの分野で大切な要素だと思います。
法人営業や個人営業と比べると
法人営業や個人営業と比べて、自治体営業はことさらに「別なもの」として捉えられています。
「別なもの」だから不安、まずは知識をしっかり身に付けなければ。といった形になっています。
私の考えでは、法人営業と自治体営業の違いは「野球とサッカー」ほどではありません。「野球とソフトボール」程度です。野球ができればソフトボールも概ねできるでしょうし、逆もまた然りです。求められる能力も似通っているでしょう。
「いやいや、民間は利益を追求するが行政は公益のために~」という意見も当然正しいですが、結局はどちらも「売上や税収をアップして、コストを削減する」活動が行われています。行政は仕組み上、利益という形では残さないというだけです。
細かくツッコもうとすればツッコめる部分もあるでしょうが、繰り返しですが「知識」は営業活動における本質ではありません。
なお、弊社にはリクルート時代に同じチームで働いていたメンバーが関わってくれています。彼女は自治体営業の経験は半年程度で、知識もさすがに豊富とは言えません。でも大活躍しています。なんせ、高い営業力を(も)買って彼女を誘ったからです。
これも「自治体営業において大事なのはベースの営業力」という所以です。
最後に
言い切りすぎている部分もあるかと思いますが、あえてはっきり考えを書きました。
しかし、私の考えが100%正しいとも思っていません。現状、世の中に出回っている自治体営業に関する情報は少ないので、近い将来「自分の考えはもう時代遅れになった」となることを楽しみにしていますし、「すでに答えが出ていたよね(正しかったよね)」となったらそれはそれで嬉しいことです。
(考えが変わることを期待して、タイトルには【2025年1月時点】と入れております。)
それでは、これからも自治体「営業」を頑張っていきましょう!