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【企業インタビューvol.1】元リクルートの視点から見る自治体営業!半年間の業務で見えてきた架電アプローチのコツとは?

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目次

はじめに

皆さんこんにちは!リクロスの木藤です。

今回は企業インタビュー第一弾として、私のリクルート時代の同僚で、今年の4月からも一緒に働いているIさんにインタビューのお時間をいただきました。

今後企業インタビューの中では、企業様や自治体営業パーソンに自治体営業についていろいろ伺っていきます。

自社(自身)の活動を見直す際に、他社(他者)の動きを知るのは鉄板中の鉄板。

少しでも皆様の参考になれば幸いです!

インタビュー

これまでの経歴

木藤:Iさん、本日はお時間をいただきありがとうございます。早速ですが、これまでの経歴を教えてください。

新卒で日本旅行の代理店のカウンタースタッフとして3年半働きました。その後1年ほど人事事務をやって、その後リクルートの旅行領域、じゃらんで営業の仕事をしていました。

木藤:リクルート時代は同じ部署、かつ同じチームで働いていましたよね。Iさんなら必ず活躍してくれると思って勧誘させてもらいました。なぜリクルートに入ろうとしたのか教えていただけますでしょうか?

2つあります。

1つは、(契約社員制度により)3年半と期限が限られているので頑張ってみようと考えました。

もう1つは、将来的に宿泊施設の経営をやってみたいという最終的な人生の目標があったからです。

木藤:3年半の期限があるとは言え、リクルートでの営業はきつい人にはきついと思います。私は「自分なら営業いける」と思っていたタイプですが、Iさんはいかがでしょう?

求人情報に「じゃらん編集」と書いてあったので、じゃらんの雑誌を作っていろいろな宿泊施設を見ながら勉強できると思っていました。

まさかバリバリ営業だとは思わなかったです。

木藤:雑誌の中の原稿を作るという意味ではあながち間違っていないですね(笑)

ただ、元々旅行が好きで自分の経験を活かせる仕事だと思ったので、営業も頑張れるかもしれないと思い入社を決意しました。

リクルート時代の業務

木藤:勘違いしたまま入社したということですが、具体的な業務を教えていただけますか?

宿泊施設向けの広告営業です。紙媒体(じゃらん)とネット(じゃらんnet等)の両方に広告枠があります。

ただ広告掲載を提案するのではなく、じゃらんnet上での画面の見え方など、売上アップのためにいろいろな角度で提案していました。

木藤:担当エリアや担当者数についても教えてください。

岐阜県や静岡県の一部を担当していました。営業1人あたり30くらいの宿泊施設を担当しますね。

既存8~9割で新規が1~2割で、観光協会とかもアプローチ先になります。

木藤:宿の数はけっこう限られていると思いますが、新規開拓しようと思えばいくらでも開拓できるのでしょうか?

社内の審査はありますが、自分が担当にしたい施設があれば手を挙げることができます。

木藤:ありがとうございます。振り返ってみて、どういった方が活躍していましたか?

定量的にデータ(数字)で提案できつつも、営業っぽさを出さないと言いますか。

広告だけ提案するのではなく、本当にお客様に寄り添って、じゃらんnet画面の見え方や競合宿の施策などにも触れる方だとやっぱり信頼度は高くて、より良い成績を残しているかなという印象はあります。

木藤:たしかに「広告売りになるな(=広告提案だけするな)」という言葉はよく聞いた覚えがありますね。どのような営業であれ、相手目線に立つことはやはり大事だと思います。それがなかなか難しいのですが。

自治体営業をやってみて感じたこと

木藤:さて、今年の4月から約半年ほど、リクロスの一員として営業代行(自治体向け架電営業の代行)の業務もお手伝いいただいております。法人営業から自治体営業に変わりましたし、リクルート時代とは異なり架電営業がメインになりましたが、何か感じたことや気付きはありますか?

世間的なイメージではテレアポはきついと思われていますが、対自治体だと全面的に拒否されることがないので安心してできますね(笑)

木藤:住民の方に失礼な態度を取ると相当トラブルになるので、事業者相手であってもすごく優しいですよね(笑)とは言え営業に抵抗のある方は一定数いらっしゃると思います。

ちょっと冷たいなと感じることはたまにありますが、明らかなガチャ切りとかはないですね。拒否されているなと感じるのは体感1~2割程度です。

木藤:自分も同じくらいの感覚ですね。企業だろうが公務員だろうが、一定数営業にアレルギーがある方はいると思います。ただ、架電営業の中では間違いなくやりやすいでしょうね。

そういえば、自治体の方は折り返しするかどうかかなり聞いてくれませんか?

たしかに。

木藤:法人向けに架電営業したら折り返しはほとんどしてくれません。自治体のカルチャーというのもあるでしょうけど、本当に親切だなと感じます。

自分が市役所にいた時も折り返しの文化があったのですが、それが事業者にも向いているんですよね。「折り返しましょうか」とすごく配慮してくださるんですよ。私たちが企業向けにテレアポしたら「折り返しましょうか」なんて言ってもらえません。

自分がいろいろと話してしまいましたが、他に感じたことはありますでしょうか?

驚いた点としては、仕方ない部分もあるんでしょうけど、即答がないことですね。

サービスを導入するorしないの段階で回答を保留にするのは分かりますが、オンライン会議の打診などでも話を持ち帰られることがあります。

木藤:あるあるですね。自治体は思ったよりはるかに課内の承認を取る必要があるんですよ。SNSでちょっとしたイベント告知をする際にも、文書管理システムで表紙を作って、SNSの投稿内容や投稿内容に紐づいた根拠資料をそれぞれ印刷して、ホッチキスで留めて課長までの複数名に印鑑をもらっていました。自分の時は5~6人のチェックが入っていましたね。

オンライン会議承認という内容ではさすがに決裁を回していないでしょうけど、中間管理職(係長や主査)に伺いを立てている可能性は十分にありますね。

これは公務員の方が悪いとかじゃなくて、そういうものだと思います。行政として独断で誤ったアクションを取ると後々トラブルになるので。

自治体への架電営業のコツ

木藤:さて、自治体向けに架電営業を半年ほどやってみて、コツを挙げるとしたら何がありますか?

3つあり、「スムーズに端的に」「トーン」「アプローチタイミング」です。

木藤:それぞれ深掘りしたいんですけれども、まず1点目の「スムーズに端的に」について。

やっぱりしどろもどろしているところが相手に伝わってしまうと、信頼度が下がるなと思います。

対面ならある程度ごまかせるかもしれませんが、音声しか情報がないと誤解を与えてしまうと思います。

あとは、トークスクリプトを読んでいると感じさせないように、繋ぎ言葉を入れるようにしています。

木藤:完全にスクリプト通りに話さないのは大事ですよね。どこかで見た覚えがありますが、あるテレアポ会社はスクリプトに「えー」とか「あのー」とか入れているらしいです(笑)しどろもどろになってはいけないけれども、スムーズすぎてもいけないというバランスが大事ですよね。

2点目の「トーン」についてはいかがでしょうか?

普段話す自分の声のトーンよりワントーンぐらいは上げるようにしています。相手の電話機によっては聞こえづらかったりしますし。

あとは暗い印象を与えないようにしています。

木藤:ベタですけど大事ですよね。ちなみに、意見が割れるかもしれないですけれども、自分は世間で言われるよりかはトーンを上げすぎないようにしています。トーンが高すぎるとテレアポ感が出てしまうんですよね、まあテレアポではあるんですけど(笑)でもおっしゃる通り、暗い印象は与えてはいけないと思います。

3つ目の「アプローチタイミング」についても教えてください。

大前提、部署によって忙しい時期は異なります。ただし、共通点も見られますね。4月は「年度初めで忙しい」「引き継いだばかり」、6月は「議会で忙しい」など。

木藤:「忙しい」と言われたらどのように返していますか?

何月でしたらお時間いただけそうかはしっかり確認しますね。

木藤:そうですよね。4月は「年度初めで忙しい」「GWまで忙しい」、5月は「GW明けで忙しい」「議会に向けて忙しくなる」、6月は「議会で忙しい」「夏まで忙しい」という感じで、年中「忙しい」と言おうと思えば言えてしまうので、しっかりこちらから押さえにいくのが大事ですよね。

自分もよく「お忙しいと思いますので、オンライン会議の日程は来月でも再来月でも構いません。」と言います。それでも忙しくて無理と言われたら、「また改めてお電話差し上げますが、いつ頃でしたら落ち着いていそうでしょうか?」と言う。

忙しいのは本当なので、先方に負担をかけずに営業側がリードしてあげるのが大事だと思います

導入実績について

あとは、導入実績はよく聞かれますね。

木藤:聞かれますよね。具体的に、どの範囲での実績を聞かれることが多いですか?

一番多いのは、その基礎自治体が所属する都道府県内の実績。次に、同じくらいの人口規模の自治体の実績。最後に、全国での実績です。

木藤:全く同じ印象です。市役所時代に予算要求担当もやりましたが、やはり県内の実績を予算要求資料に盛り込むのは鉄板でしたね。

ちなみに、実績についてはどのくらい深掘りされますか?

どの自治体に導入したかとか、どのくらいの数の自治体に導入したか、くらいですね。

木藤:やはりそうですよね…。どうにかしたいと思っているのですが、自治体は「導入実績」は聞いてくるのですが、「導入してどういう成果が出ているのか」は驚くほど聞いてこないんですよね。なので、あまり良いサービスでなくても、多くの自治体が導入しているというだけの理由で、全国にどんどん広がっていることもあります。

全てのサービスを定量で振り返ることができるとは思いませんが、もう少しどうにかできるのではないかと危機感を持っています。

相手の言葉で話す重要性

他にやってみて思うのは、担当者が不明の場合ですね。

あまり自治体に出回っていないサービスだと、誰が担当なのか分かりづらいことが多いので、とにかく分かりやすく話すのは大事だと思います。

木藤:Iさんの言葉をちょっと僕なりに変えると、「日本語として分かりやすく伝える」「小学生にも分かるように」という意味ではなくて、「相手の言葉で語る」という意味ですよね。

自治体は部署だけでなく、その部署内でも担当が縦割りになっているので、縦割りされた担当業務にスポッとはまる言葉を探す必要があります。しっくりくる言葉を見つけるには、実際に自治体にアプローチしてみるしかない場合もありますね。

それこそ人口規模によって変わってくる場合もあります。一定の規模だと当たり前のように通じる言葉が、急に伝わらなくなることもある印象です。

自治体営業に限らず、自分が話したいように話すのではなく、相手目線で話すのは改めて大事だなと思いました。

インタビューなのに自分もガッツリ考えを発信してしまいましたね(笑)Iさん、お時間をいただきありがとうございました!

ありがとうございました。

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